商標登録の要件
商標は特許庁に登録すれば、法的に権利が保護されます。しかも特許権や実用新案権などの他の知的財産権と違って10年ごとに登録を更新できるので、一度登録が認められれば、その後は半永久的に権利を守ることができます。
日本の特許庁を通して、外国にも登録を申請することもできます。今後もしTPP参加が決定すれば、さまざまな業種で国際競争力が問われることになりますから、海外の企業に対抗するためにも、商標を登録して権利化しておいたほうがいいのではないかと思います。
商標が登録されるにはいくつかの条件があります。以下にあてはまる商標は、申請をしても登録を認められませんので注意してください。ただし、3、4、5は、表示の仕方が一般的でなく、商標として識別性があると判断されれば登録されることもあります。
1その商品やサービスの普通名称を普通の方法で表示しているもの。2その商品やサービスについて慣用されているもの。3産地や場所などだけのもの。4ありふれた氏または名称だけのもの。5アルファベット1文字や、○、△のような、極めて簡単でありふれた標章だけのもの。6それ以外で、その商品やサービスの提供者が誰なのか認識できないようなもの。
これ以外でも、視覚に訴えるものであること、静的なものであることも条件です。目で見て判断できないようなものや、動くものは商標として認められません。また他人の商標に類似しているものも当然、認められません。消費者やサービスを受ける需要者が混乱して、どこの商品か迷ってしまう程度に似通っている場合です。これは商標権には権利者の利益を守るのと同時に、消費者の利益も保護する目的があるためです。文字や図案の形状や、その商標の呼び名、商標の意味などを総合的に判断して、類似していると判断されたものは、登録申請をしても却下されます。ただし、商標自体が似ていても、それを使う商品やサービスが類似していないと判断されれば登録されることがあるので、申請する前に、既に登録されている商標を調べることも大切です。